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思い込みは時に大きな問題を引き起こす…【魔女のパン】(オーヘンリー&山本ゆうじ)

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私は暇なとき、iPadの「ブック」(たまに青空文庫)で、著作権が切れて無料になった小説を読み漁るのですが…今回紹介するのはその時に偶々見つけて面白かった 「魔女のパン」 です。 私のような学生にとっては気になった本が無料で読めるのがほんっっとうにありがたい!  ※魔女のパンという題ですが、別にとんでもないパンとかは出てきません。 あらすじ パン屋を営む女主人のミス・マーサは、いつも古いパンしか買っていかないある男、ブルムバーガーに心惹かれる。彼女は彼の様子から彼を貧しい画家だと思い込む。貧しい食事を可哀想だと思った彼女は、彼が買っていくパンの中にバターを入れる。ああ、彼はどれだけ喜んでくれるかと想像していると、そこに彼が来て… 面白い点! ・短くて読みやすい! この本は、ページ数にして たったの6ページ !どれだけ時間がなかろうとも、授業中だろうと仕事中だろうと、このブログを読み終わってから数分で読めてしまう!(因みに筆者は授業中にこっそり読みました。) ・主人公の想像での表現が面白い! 作中でマーサがこんなことを言います。 「もし天才が、二千ドルの預金がある、情け深いパン屋の女主人の後援を得たなら、芸術と遠近法の発展にどれだけ貢献することかーー。」 ※天才→想像上での彼(ブルムバーガー) ね?面白くないですか?画家だと言うことも判明していないのに、勝手に彼のことを未だ世間に評価されない可哀想な天才だと思い込み、自分はそれを想像の中でしか救ってあげられない悲劇のヒロイン扱いですよ。しかもここから、このミス・マーサは想像力の高い人→思い込みしてしまうというラストにつながっていく、 ただ面白いだけじゃない表現なんです 。 ・ 終わりの衝撃! ここはネタバレになるので詳しくは書かない、というか書きたくないのですが ラストの展開が衝撃的 でビックリしました。その後のマーサの行動も考えさせられる物があります。 筆者の感想 この話は読者によってマーサの自業自得なのか、それとも善意が悪い方向にいってしまっただけなのか、解釈が分かれるところもあるかもしれません。まあだとしても 「思い込みはしすぎちゃダメ!ちゃんと事実を見ようね」 という教訓を私達に示してくれます。私も過去に宿題を既にやってたと思い込んで(実際は真っ白)提出日に地獄を見た経験が何度かあります…そんな悲しい経験をした人